子どもたちが自分で学ぶ!”本物”に触れる機会を作ります

滋賀県草津市立玉川中学校 北川健教頭先生

多くの子どもたちには「理科は難しい」「レポートを書くのが面倒くさい」というイメージがあるようですが、子ども の理科離れをなくす会による実験は、子どもたちが自分から進んで実験をしなければなりません。しかし、やり遂げた時に子どもたちの目が輝くのが分かります。次代を担う子どもたちには、こういう学習をどんどんしてもらいたいです。

東山中学校 福地信也副校長

当校の生徒がロボット研究室に参加していたのが縁で、授業に採り入れることになりました。生徒たちはトイレに行く時間も忘れて、3、4時間平気でロボット に熱中します。普通の授業では無いことです。2人1組で協力して、ロボット製作を進めていかねばならないので、コミュニケーション能力やプログラミングに よる論理的思考力の向上が期待できます。子どもたちが10年後に東山中でロボットに触れたおかげで、今の自分があると思ってくれるとうれしいですね。

初芝堺中学校 西野弘先生

10年ほど前から、子どもたちの理科的な思考 力が低下していると感じています。子どもたちは塾などを通して学校で実験をする前に答えを知るようになってしまいました。実験を通して答えを導くというト レーニングを受ける機会が減っているのが原因の1つです。ロボット研究室は2人1組で実験を積み重ねていくので、意見を交換したり、協力しあうことでコ ミュニケーション能力も育てながら、実験を通して考え、回答を自分たちで得るというトレーニングができます。これからも子どもたちが持つ個性が輝く場を提 供できる教育を考えていきたいと思います。

福知山市立桃映中学校の理科担当の先生たち)

ふだんは集中力のない子がトイレにも行かずにずっと集中してロボットに取り組んでいることに驚きました。手取り足取り教えるのではなく、子どもが自ら研 究を進めていくというのは理想の学習ではないでしょうか。

文部科学省21世紀プラン担当者

子どもたちを”本物”に触れさせるにはお金がかかります。文科省の委託が終わった後も大津市の公民館で教室を継続できるのかという問題はありますが、学校の 授業とこうした教室が両立できれば、と思います。(注釈:大津市内では2005年度まで文科省21世紀プラン委託事業として、公民館等で無料の教室を開いています)

京都大学総合博物館 大野照文教授)

子どもの理科離れをなくす会のロボット研究室では、最初に700個もあるパーツをすべて数える修行のような作業から入ります。最初は訳が分からないと思 います。でも帰るころにはその意味が分かる。私が教えている三葉虫の講義も同じです。最初は何のことか分からなくても、90分後には頭の中で2億5千万年 前の生物が動いているイメージができます。こういう原体験が潜在意識にすり込まれ、子どもたちは能力を発揮していくのだと思います。それだけに教育の責任 は重大だと考えています。

匿名

公立中学校では、理科が得意な先生が異動してしまうと、その先生の仕入れた実験機材が無駄になってしまうことが多々あります。なぜなら、その先生以外はな かなか扱いが難しいものだからです。逆に実験機材などの教材を発注しても、その先生が赴任している期間中に届かないこともあります。研究指定等を受けて得 られる理数系の予算も数年に1度に限られます。こうした現状にあって、最先端科学を学ぶことができる教材、そして教える人やサポーターまでを含めたパッ ケージが存在することは、学校としては非常に役立つものだと感じました。

匿名

学校現場で理科離れが進行しているというよりは、現実社会に理科が追いついていないので、子どもたちが興味を失いつつあるんだと思います。一方で従来 からの理科の授業方法も必要です。今日のロボット研究室は最先端科学と従来からの理科の授業を結ぶ内容だったと思います。

匿名

この会からロボカップジュニア世界大会の優勝者が出たのはうれしいニュースです。以前、ロボット研究室に参加した時、普通とはまったく異なるセンサーの 使い方で、見事に課題をクリアした子どもを見たことがあります。本当に人間は1人ひとり異なった能力を持っているんだなと感動しました。このことは常に意 識していなくてはいけません。私たちは、こうした1人ひとりの異なる能力の発揮をお手伝いしているのですから。