京の子どもへ夢大使!福知山でロボット研究室 (2005.12.15)

 
 12月15日に「京の子どもへ夢大使(大志)派遣事業」の一環で、当会の北原が「ITの達人」として京都府福知山市の下六人部小学校を訪れました。ロボット研究室を開き、子どもたちにロボットが活躍する未来のイメージを伝えました。

 京の夢大使(大志)派遣事業は、京都府教育委員会が優れた知識や経験を持つ人々を 「夢大使」として府内の小中学校に派遣し、子どもたちの心に響く授業や興味・関心、学習意欲を高めようという取り組みです。子どもの理科離れをなくす会の代表である北原達正が「ITの達人」に選ばれ、夢大使として子どもたちに最先端科学の楽しさを伝えるべく、福知山市立下六人部小学校の5年生76人と6年生55人を対象にロボット研究室を開きました。

 午前10時30分。5年生の子どもたちが体育館に入ってきました。先生の合図で2人1組で着席します。単にロボットを知るだけでなく、2人1組で話し合いながら実験を進めることで、将来必要なコミュニケーション能力の発達が望めるからです。子どもたちは机の上のパソコンとレゴブロックで作るロボットに興味津々です。「これレゴですか?」と質問する子もいました。北原先生の話が始まります。

 この日はロボットを使った大会の話から始まりました。毎年ロボカップと呼ばれる世界大会が開かれるのですが、今年のジュニア部門で世界チャンピオンになった中学生が当会の会員であることを話すと「えー!?」と驚きの声が。でも、その子どもたちがスペースロボットコンテスト(SRC、当会主催)という別の大会で小学4年生の子に負けたことを聞くと、さらに「えー!?」と驚きの声が上がりました。

 今回子どもたちが作るロボットは「火星探査ロボット」です。なぜ「宇宙」や「ロボット」がテーマなのでしょうか。現在、地球の軌道上にはすでに国際宇宙ステーションが存在し、すでに宇宙には人が住んでいる状況です。2008年ごろには日本用のスペースも完成し、日本人が常に宇宙にいる時代が訪れようとしています。さらに2015年ごろには月面基地が完成しているはず。これはアメリカのブッシュ大統領が発表した計画です。この計画に必要な宇宙飛行士は1万人ほ ど。現在、宇宙飛行士1人を地上からサポートするには2000人が必要です。この割合を当てはめると、2000万人のサポートが必要になります。「だから君たちの中にも必ず宇宙に携わる人がいます。隣に座っている人が火星に行くかもしれませんよ」と話すと、子どもたちの表情がぱっと輝きました。

 そしてロボット。宇宙は放射線や隕石が飛び交う危険な空間です。そんな場所で作業をするにはロボットが欠かせません。火星と地球の間を電波が往復するには約8分。火星探査ロボットに地球から命令を送っていては緊急の危険を回避できません。そこで必要なのが自分で考えて適切な行動をとることができる自律型ロボット。ロボカップやSRCも自律型ロボットによる大会なのです。地球での生活にも「お掃除ロボット」をはじめ、さまざまなロボットが活躍する時代がすぐそばに迫っています。子どもたちの10年後には、ロボットと共生する未来が待っているはずです。

 先生の話が終わると、すぐにパーツチェックからスタートです。今回は半分だけのチェックでした が、本来は700個近いパーツをすべてチェックします。実際のロケットのパーツは約100万個。1つでも欠けると宇宙では生きのびられません。終わるといよいよロボットにプログラムを入力します。「月面基地への着陸」をすぐにクリアする子もいれば、必要以上に複雑なプログラムを組んで悩む子もいます。次は「クレーターからの脱出」です。最後まで努力し続けて成功させる子も、1つ上のコースである線を読み取って進むロボットに挑戦する子もいました。午後からは6年生もチャレンジ。真剣に課題に取り組んでくれました。

 みんなすっかり夢中になっている最中ですが、授業時間に終わりが訪れました。「はい、終了です!」の声に残念そうな子どもたち。「難しかった!」という子もいる反面、「もっとやりたかった!」という子もたくさんいました。

 この日、多くの子どもたちがクリアしたのは「ベーシックコース」と呼ばれる初級編です。ロボットに興味が湧いた子は、京都市内でもロボット研究室を開いているので来て下さいね。当会は10年後の未来を支える科学技術者の育成に取り組んでいます。さまざまな分野で注目されているロボット、そして宇宙について興味がある子どもたちの期待に応えられる取り組みを今後も続けていきたいと思います。



 

 
 
 
 
 

 



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