次世代の人材育成を目指す海陽学園でロボット教室開催(2006.06.04)
日本で初めての全寮制の男子中高一貫校で、愛知県蒲郡市の私立・海陽中等教育学校(学校法人海陽学園・豊田章一郎理事長・伊豆山健夫校長)で6月4日、3週連続で行うロボット教室の第1回目を開きました。全校生徒123人のうち113人の生徒が参加。ロボカップへの参加を目標とし、生徒たちは二人一組となって目を輝かせながら数々のミッションに熱心に取り組んでいました。

海陽学園は、イギリスのイートン校をモデルにトヨタ自動車や中部電力、JR東海などの企業が出資して設立された、次世代の日本を支える人材育成を目標とする日本初の「ボーディングスクール」。今年の4月に開校したばかりで、全国から一期生となる123人が入学。三河湾に面した真新しい校舎で、勉強だけではなく様々なことを体験しながら学校生活を送っています。

ロボット教室は、同学園と当会の教育方針が一致すること、当会の教育システムの先進性などが認められ採用されました。昨夏には、奨学生を決める資格審査試験にも選抜科目の1教科として実施しており、今回参加した生徒のうち、約100人は経験者。楽しみにしていた生徒も多く、事前のプレゼンテーションでは笑顔が教室中に広がっていました。中には、習い事のため学校を離れていましたが、早く切り上げ、学校に帰ってきて参加する生徒もいました。

初めてとなる生徒十数人はベーシックコースから指導し、経験者にはロボサッカーの基礎となる「ライントレース」を重点的に指導。光センサーを使って楕円を一周する初級コースから、岩を避けながらピンポン球を運ぶという難関コースまでを5段階に分けて設置しました。

1つでも多くのミッションをクリアしたい生徒たちは、プログラムが終わると我先にとコースに詰め掛け、昼休憩になると団体行動を守りながらも、食事が終わると時間を惜しんですぐに教室に戻り、頭を突き合わせてプログラムと格闘。初参加でベーシックコースをすんなりクリアした生徒たちもいましたが、上級コースになればなるほど一筋縄ではいきません。何度も何度も失敗を繰り返し、サポーターからもヒントをもらいながら、2人で協力して集中力を切らすことなく最後までコースに挑戦し続けていました。

上級コースは、当会でも難度の高いコースを設置したつもりでいましたが、実質活動時間約4時間の中で最後のコースまでもクリアする組が3組も出て驚きました。
また、理科を教えておられる先生方も参加され、「ああでもない、こうでもない」と頭をひねっておられました。

教室の最後には同学園の白拍子新教頭先生が「同学園で勉強するすべての科目は無駄にはなりません。目標を持って色んなことに取り組んでいきましょう。」と挨拶され「この海陽からも来年のロボカップジュニア世界大会が行われるアトランタに一組でも多く参加できるよう頑張りましょう」とおっしゃられました。
残る2回は、いよいよサッカーロボットを作り、実際に試合で使われるボールやコートを使用します。これからは生徒たちの創造性も発揮されることになりますが、どのようなエースストライカーが現れるでしょうか?楽しみです。