『理解は自分の言葉で話せる』探検の殿堂・ロボット研究室
「科学探検隊・ココロボ」 

(2006.09.2)  
東近江市の探検の殿堂でのロボット研究室「科学探検隊・ココロボ」が9月2日に午前の部、午後の部と2回に分けてそれぞれ小学1年生から6年生までの 人を対象に開催されました。「科学探検隊・ココロボ」も11月5日に大阪で開かれる決勝戦に向けて、まず10月に開催される滋賀県予選を突破しなければならず、その予選に挑戦する資格を得る為にも後2回で与えられた課題をクリアしなければなりません。約2時間の短い時間でしたが与えられた課題を熱心に取り組んでもらい会場は熱心な表情の隊員が多くいました。

夏休み明けたばかりで隊員も充実した笑顔で参加し、和やかに始まりましたが、、サポーターや先生の話が始まると会場の空気は一変して、隊員の表情にもどこか緊張感が生まれ、先生やサポーターの話を熱心に聞き入ります。今回の挑戦する課題はロボットをスタートラインから前進して指定のエリアにきっちり止まるコースと一度右折してから指定エリアに泊まるコース。2つ目はおよそ1メートル近いテープのS字ラインに光センサーを駆使してロボットを走らせるコース。3つ目はその応用で2メートル四方のスペースにいくつかの穴の開いた箇所に落ちないように隙間をぬって進んでいくコース。また、近くにドライアイスを置き、雲の温度も測れる精度の高い温度センサーに感知させてそこへ到達させる高いレベルの機能を使った挑戦も試みられました。前回に引き続き隊員たちのモチベーションに拍車がかかります。

作業がスタートすると真っ先に一つ目の課題に挑戦し、難なくクリアする隊員が続出し、要領を思い出したようで、マウスを操作する手はいつもどおりといった感じで、何の違和感も無くスタートし、すぐに入り込んでいきました。思い通りに止まらないロボットや、指定のエリアにうまく止まらないロボットなど、グループによってさまざまな問題が生まれます。センサーの位置をもっと離したほうが良いのではないか少し後退してから曲がったほうが良いのではないか、コースごとに考える作戦、仲間との意見を交換することなど問題解決するためにコミニケーションも求められ、隊員たちはお互いに協力して話し合いながらベストの方法を試行錯誤を繰り返しながら模索していきます。

課題の難易度が上がるたびにセンサーが感知しない、スピンの秒数が長いなど何度もトライするもなかなかうまくいかないケースが目立ち失敗する回数も徐々に増えていきますがサポーターから助けを出すことはせず、自分たちで考えることを促します。
ほんの数時間でロボットの動きが失敗の回数を重ねるごとに良くなっていくのを見ていると、隊員の成長が目に見えて分かりました。

どうしても先へすすまない時間帯や状況がどこのグループでも生まれましたが、根気よくねばり強く問題について考え、絶えずコミニケーションすることでパートナーと議論し、伝え合うことで徐々にロボットの動きにも変化がみられました。サポーターの助言で、自分の考えを自分の言葉で話す過程で整理されていなっかった頭の中がまとまって建設的な考えができ、解決の糸口を自ら見つけ出すことに気が付いた隊員もいたようです。自分の言葉で話せて始めて本当の理解をにつながったのではないかと思います。
最後には、時間がもう少しあればクリアできたのに・・・と本当に悔しがる隊員の顔がのぞき見え真剣に取り組む姿が深く印象に強く残りました。また応用段階が進むにつれ最初にやった基本的なことをしっかり理解し早く正確に出来ることが重要になってきます。限られたリミットの中でクリアできることの難しさを感じたとおもいますが、実体験から経験する失敗で本当の意味の勉強になったのではないかと思います。大会では中、高、大学生と同じ土俵の上で勝負する、できる環境に身を置きますがほんの数時間で大きな成長を見ていると対等に戦える力がついていると感じ、期待させられます。また彼らも大きな刺激をうけ、よりモチベーションがあがるのではないでしょうか。
この隊員の中からは10年後には月面開発ロボットの研究者が誕生するだろうということも夢ではなく現実味をおびた話でした。