一般社団法人e-kagaku 国際科学教育協会(京都府京都市、代表理事:北原達正)は、現在進行中のジュニアによる人工衛星の作製・打ち上げプロジェクト「ジュニア衛星プロジェクト」について、その社会的意義を広く知っていただくために、第1回ジュニア衛星プロジェクトシンポジウムを2月26日に開催します。

「ジュニア衛星プロジェクト」は、e-kagakuが目指す「産業界と教育界が連携するICT人材育成」を具体化したもので、スポーツと同じようにジュニアとプロが同じ道具とゴールを共有し社会が求める人材を発掘・育成しながら新しいビジネスを創出することを目的としています。

今回のプロジェクトでは次のような革新的なチャレンジを行っています。

1)世界初※のコーナーキューブリフレクタ(レーザー反射装置)を搭載した超小型衛星の打ち上げ
e-kagakuが作製する”e-kagaku ジュニア衛星”にJAXAが開発した“mini-Mt.FUJI”を搭載し、宇宙ゴミの軌道上実証実験を実施するという世界初の試みです。 ※弊団体調べ
そのデータは宇宙ゴミの軌道シミュレーションや民間人の宇宙旅行に必須な宇宙保険の料率など、急成長する宇宙ビジネスに大きく寄与するものと考えられます。

2)衛星作製経験が全くない、小学生、中学生、高校生、大学生がオリジナル衛星を作製
スペースロボットコンテストという世代を超えたICTコンテストの結果や、自動運転などのAI/データサイエンス企業約70%が使用するMATLABのシンポジウム MATLAB EXPOで賞を獲得するなどの成果を出したメンバーを選出。設計、回路、プログラムなどを自分たちで作り上げた全ジュニア世代参加型衛星です。

3)オールジャパン型 衛星作製
今回の“mini-Mt.FUJI”搭載衛星の筐体は、どこにもないオリジナルです。これを日本の中小企業で高い技術を持つ石敏鐵工様に依頼。JAXA、三井物産エアロスペース(株)、MathWorks Japanの皆様の力も借りて、新しいビジネスシーズとICT人材育成を同時に行う、これまでにないプロジェクトです。

シンポジウムでは、前半は人材育成的な側面を中心としたジュニア衛星プロジェクトの概要紹介、ジュニア衛星プロジェクトに携わる中高生とサポーターによる講演、後半は宇宙ビジネスの側面を重視した人工衛星の作製・打ち上げに携わっていただいている企業・団体の代表者によるパネルディスカッションを予定しています。

本プロジェクトをきっかけに、すべての日本のジュニアが本物に挑戦している姿を広く認知いただくとともに、教育界と産業界の連携が促進されることを期待しています。


人工衛星のエンジニアリングモデルを組み立てるプロジェクトメンバーたち


完成したエンジニアリングモデル

<シンポジウム概要>
日時:2023年2月26日 11:00~14:40
形式:YouTubeによるオンライン配信
参加費:無料
特設サイトhttps://global-science.or.jp/junior_satellite_project/

プログラム
<第一部>
11:00~ 開会宣言

11:02~ 基調講演 「ビジネスと教育の一体化による宇宙開発モデル」
北原達正 一般社団法人e-kagaku国際科学教育協会 代表

11:32~ ジュニア衛星プロジェクトメンバーによる講演
峯田一樹(栃木県・高校2年) C&DH(Command & Data Handling)担当
佐藤麗奈(東京都・中学2年) 通信系統担当

12:10~ 昼休憩

<第二部>
13:00~ ジュニア衛星プロジェクト概要説明
内海太一(宮城県・大学4年) ジュニア衛星プロジェクト統括リーダー

13:30~ 協賛企業講演 「量産型CubeSatフレームMBFの教育利用について」
石川実良 氏 石敏鐵工株式会社 代表取締役

13:45~ パネルディスカッション 「ジュニア衛星プロジェクト その社会的意義と展望」
本田拓馬 氏 三井物産エアロスペース株式会社 航空産業第三部 宇宙事業室 室長
中村信一 氏 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA)追跡ネットワーク技術センター軌道力学チーム 技術領域主幹
秋山祐貴 氏 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 (JAXA)追跡ネットワーク技術センター軌道力学チーム 研究開発員
石川実良 氏 石敏鐵工株式会社 代表取締役
吉富進 氏 一般社団法人日本宇宙フォーラム特別顧問、元JAXA宇宙環境利用センター長
北原達正 一般社団法人e-kagaku国際科学教育協会 代表

14:35~ 閉会宣言

協賛:石敏鐵工株式会社
後援:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、三井物産エアロスペース株式会社、MathWorks Japan

■石敏鐵工株式会社について
1948年に愛知県碧南市にて瓦金型メーカーとして創業。リーマンショックの頃に自動車業界に参入し、試作部品の製造を手掛けています。2017年からは宇宙部品の開発を始め、5軸マシニングセンタを駆使してアルミブロックを削り出し、つなぎ目のない軽量で剛性の高い人工衛星部品MBF(モノベースフレーム)を販売しています。MBFは2022年度版のNASAの小型衛星最新技術レポートに掲載され、その独自性が評価されています。

■三井物産エアロスペース株式会社について
1982年の会社設立以来 約40年に亘り、「航空宇宙・防衛の専門商社」として、ヘリコプターや航空機、宇宙・防衛・セキュリティ関連機器の輸入販売及び関連サービスの提供を通じ、日本の航空宇宙業界の発展や安全保障に貢献して参りました。情報技術、物流技術なども取り入れ、お客様のニーズにより幅広く、的確にお応えしていきます。(三井物産エアロスペース株式会社 宇宙事業Website:https://mba-space.com/

■ 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 追跡ネットワーク技術センターについて
事業内容はこちらをご覧ください:https://track.sfo.jaxa.jp/

■MathWorks社について
MathWorks は、数学的計算で業界をリードする世界的なソフトウェア開発会社です。MATLAB は、エンジニアと科学者のための言語として、アルゴリズム開発、データ解析、可視化、数値計算のためのプログラミング環境を提供します。世界中のエンジニアや科学者が、自動車、航空宇宙、通信、エレクトロニクス、産業オートメーションなどの産業分野において、検出、革新、開発を加速させるためのツールとしてこれらの製品を利用しています。また、教育および研究に欠かせないツールとして、世界各国の大学や教育機関において活用されています。

■(一社)e-kagaku国際科学教育協会について
2014年6月設立。Space Robot Contestのほか、小中学校等におけるロボット/サイエンス体験教室や合宿を全国各地で開催。子ども・大人向けのSTEAM教育、ICT教育を行い、科学を通じた人間育成と、そのための環境整備を行っています。