2023年の目標 新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします

e-kagakuは2003年「子どもの理科離れをなくす会」として発足以来、日本の教育に不足している学力を提供するためのトップランナーとして活動しています。教育現場では、「一人1台のPCデバイス」「プログラミング教育」「探求型講座」「情報の入試化」と大きな改革が言われていますが、一方で現場の整備や指導者の育成がばらばらで、さらなる「教育格差を引き起こしています。しかもICTの進化速度が教育の対応速度を大きく超えています。 e-kagakuでは、会員の皆様が生涯年収に関わる重大な案件であるICT・データサイエンスを、「いつでもどこでも誰でも学べる」社会づくりと「学習したことが正当に評価され、教育界と経済界が同じ人材育成のゴールを目指す」環境整備に注力してまいります。

この1年でも、ICT環境は大きく変わりつつあり、求められる学力、能力、スキルは変化しています。 e-kagakuは5年先に必要なものに対応した学びの場を全世代に提供することを目標に、今年も変革を行ってまいります。

現在日本の若者は将来の不安におびえていると言われています。それが少子化につながり、閉塞感を生み出しています。一方、台湾やシンガポールなどICT教育先進国の若者は、自分が学んだスキルで高い賃金を得るために海外で就職することに全く違和感を感じていません。そこには希望に満ちた将来につながる道が見えています。 「学んだことが将来の希望につながる」そんな社会を生み出していきたいと考えています。

2030年に必要とされるスキルは学校で学べるのか

オックスフォード大学は「2030年に必要とされるスキル」という論文で、120種類の知識・能力・スキルをランキング化したデータを発表しました。以下がその20位までです。

あれあれ?日本の教育でやかましく言われている「プログラミング」や「英語」はどこに行ったのでしょう!実は英語は21位、プログラミングにいたっては66位なのです。 
3位に指導力、13位に伝達力、19位に活舌が入っているように「伝える力」はとても重要視されていますので、既存の英語の学力や評価とは異なる「英語力」を求められています。 

一方「プログラミング」に関しては、現在においてもAIやノンコードプログラミングが急激に進化しているように、従来のプログラマーのように特定の言語ができることが重要ではなくなっています。海外と日本の教育の大きな違いの一つは、答えのある具象的なものよりも現実を抽象化して表すことを重視する点です。これはアルゴリズムに落とし込める力であり、フローチャートやブロック線図で現象を表現する力です。数学の証明や立式能力、物理数学がそれにあたるでしょうか。物事をそのようにとらえる訓練が、すべての科目に必要なのです。例えばシンガポールが中学の1,2年で、すべての科目(音楽や体育も)をそのような思考でとらえ、抽象化する訓練のためにプログラミングが使われています。極論すれば、今日本の学校で学んでいるレベルの「プログラミング」はできてあたりまえの時代になっていると言えるでしょう。 
ちなみに同じオックスフォード大学の「雇用の将来」という論文(The Future of Employment – University of Oxford)では、人工知能などの技術進展から影響の受けやすい職業と言うテーマで、702種類の職業をランキング化していますが、コンピュータープログラマーは410位(702位中)にランクされています。2030年まであと7年。今から7年前の2016年はまだGIGAスクール構想も始まっていませんでしたね。子どもたちに必要な学習内容は、少なくとも5年後の未来を意識して行うべきだと考えています。 

スキルの学習は経験が必須。日本ではそれができない。 

先ほどの表で、スキルに関するものが20個中10個入っています。スキルは本を読んだだけでは絶対に習得できません。私が見学したり指導した海外のICT先進国の教育では、「実験」が定期試験や入試にさえ組み込まれています。「課題解決力」や「やり切れる力」をきちんと評価対象としているのでです。日本では答えがはっきりしていて誰でも採点できるものが入試に多く出されます。機械的な評価判断だから公平だということなのでしょうか。海外ではこれまでに行ったことやそれに対する質疑応答が評価対象となります。日本の大学は入るのは難しいが出るのは簡単とよく言われます。海外は毎週レポート!この差が4年後大きな差になって日本の大学生が世界の大企業に就職することはほぼ不可能でしょう。ちなみに企業の時価ランキングで日本の1位のトヨタは世界ランキング43位。ベスト10はアメリカと中国だらけ。11位のサムソン(韓国)はトヨタの2倍以上の時価です。これらのほとんどの会社は世界中から人材が集まってきます。台湾の国立大学を訪問した時、学生のほとんどが台湾以外の国の企業に就職希望を出していました。しかし、東大、京大の新卒就職人気企業ランキングのトップ20はすべて日本企業です。「アップルの社長になる」「フェイスブックを超える会社をシリコンバレーに作る」ような目標を持つ子どもがいてもいいですよね。それだけの気概と意識を持つには「やり切れた」という自信と「自分がやっていることは世界に通用する」という実感を経験から得ることが大切です。経験こそが、日本の教育には必要だと確信しています。

ハーバード大に推薦合格! 

別記事で詳しく述べますが、2022年の国際化学オリンピックで金メダルを取った中地君がハーバード大学に推薦合格しました!彼の推薦文や業績の中に、e-kagakuで小学生から取り組んできたロボットプログラミングやSRCをはじめとして学んだことをたくさん述べています。 
もちろん本人の努力が素晴らしいことに間違いありませんが、小学生の時から10年先を見据えて基礎をしっかりと指導してもらえたことがとても役に立ったと言ってくれています。それは海外の大学の勉強や就職は、「真の自ら学ぶ力」が必要であることを理解してくれているからだと思います。 

今後も皆さんにそのように思ってもらえるよう、全力で頑張ります。次の記事で最初のカリキュラムの変更と今年の目標を示します。ご期待ください。 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA